第50回 動物生命科学研究センター学術講演会

演 題:「滋賀医科大学に必要とされる適切な実験動物管理 」
演 者:中村 紳一朗 先生(滋賀医科大学・動物生命科学研究センター 准教授)
日 時:令和2年3月12日(木)14:00〜
場 所: 動物生命科学研究センター 5階 セミナー室

〈講演要旨〉

本学は大学の規模に比して、大型の実験動物施設を有している(施設床面積が国立大学実験動物施設協議会加盟68機関中16位)。またサル類、イヌ、ブタなどげっ歯類以外の飼育動物種も多く、さらにABSL3レベルの感染実験が行われるなど、実験内容も多岐にわたる。多種多様な実験が可能である、ということは各種レギュレーションへの対応が必要なことを意味している。当たり前のように行えている動物実験は、関係スタッフの尽力もあり、成り立っている。本学の動物実験は、少なくとも日本の法令などに関連する基準は十分遵守しており、その内容は実験動物学会の外部検証プログラムからも客観的に適切と判断されている。しかし本学で行われる動物実験データの発信先は主に欧米の専門誌あるいは国内英文誌で、国内誌であっても国際的な基準の中でレビューされる。日本の検証プログラムではカバーされない動物福祉の項目などが問題視される可能性がある。最近、学内研究者の投稿論文のレビューに対し付された動物の飼育環境・方法へのコメントにつき、何度か質問を受けた。特にヨーロッパのレビューアーは研究内容と同じくらいの重さで、その実験の動物福祉を評価する。当然、国際基準に見合った動物福祉に基づき行われた実験でないと却下される場合がある。従って、本学は国際的な評価にも耐えうる、適切な実験動物管理を目指すべきであり、この先に問題あるいは障壁になるような点を、現在行われている手続きをふまえながら解説していきたい。

① 飼育施設、実験の付帯物に関する許認可
② 動物実験委員会の運営
③ 実験動物施設の管理

【追記】

・入場時の手指の消毒、適宜マスクの着用、咳エチケットの徹底にご協力お願い 致します。
・発熱その他体調不良の方は、参加を自粛していただきますようお願い致します。

*本講演は大学院の医学総合研究特論の一環として認定されています。


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